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東京台東区は谷中から石垣島へ。


by fuutaro58
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ギリシャのアントニオ・バンデラス

ギリシャとユーロの関係、まだまだ予断は許さないけれど、この一連の騒動の中で、際立ったのがチプラス首相の舌を巻くほどのしたたかさ、有能さだ。ユーロからの緊縮財政要求と、ギリシャ国民の反緊縮策への渇望という板ばさみの中、今年の1月に首相に就任した彼は、ユーロからの要求を断固とした態度ではねつけて国民投票を実施、大方の予想を裏切って圧倒的多数の支持を取り付けると、今度は一転新たな改革案をユーロ側に提出、どうやらこれがユーロ側からも受けいられそうなのだ。つまり一見どうにもならないような二律背反的な状況を一挙にアウフヘーベン(止揚)してしまったのだ。
改めて彼の経歴を調べてみると、10代半ばでギリシャ共産党に入党、大学卒業後2006年アテネ市長選挙に立候補、落選したものの、2009年ギリシャ議会選挙に初当選。急進左派連合の党首となり、2012年の選挙では同党を一躍議会第2党に躍進させ、今年の選挙で「反財政緊縮策」を公約に掲げて見事第1党となり……。

アントニオ・バンデラス(スペインの俳優 別名赤の魔術師とも呼ばれる巨匠ペドロ・アルモドバルに見出され「神経衰弱ぎりぎりの女たち」でデビュー)、を彷彿とさせるような風貌と、エネルギッシュな行動力。聞けばチプラスさん、正式な結婚はしていないが、同棲相手の女性との間に子供が二人いて、そのうちの一人のミドルネームに彼の敬愛するキューバの革命家、エルネスト・チェ・ゲバラのエルネストをつけていられるとのこと。最近タバコをチェ・レッド(なんとルクセンブルグ産でキューバの葉を混ぜてある)に替えたばかりの僕にとっては胸くすぐられる思いがする(なんのこっちゃ)。

政治的な場で”歩み寄り”というと、妥協に妥協を重ねて、というイメージが圧倒的だけれど、こんなやり方もあるんだ、と思わせてもらえたのは近年にない収穫。ポピュリズムに陥らずに人々の心をがっしりとつかむ。その手法に拍手、拍手。

振り返ってみるに、今の一見救いがたいような日本の政治の現況は、民主党のあきれ返るほどの無知、無策、無責任にあるといってかまわないと思う。たとえば沖縄の辺野古の問題。民主党は県外移設を公約に掲げていたにもかかわらず、ふたを開けてみればその舌の根も乾かないうちに、「やっぱり無理でした」。それはないだろう。辺野古の問題のような100年先の未来をイメージするような課題を小手先の戦術で何とかしようとすれば無理があるに決まっているわけで、少なくとも具体的な形で普天間基地の行く先を提案するような努力を粘り強く続けるべきだったと思う。政治家をやめてから辺野古を訪れても遅いんだよ、鳩山さん。

台風一過のここ石垣。一見穏やかなコバルトグリーンの海にも、自衛隊の監視所が設けられるという。そして宮古ではそれを招致しようとする動きさえ。与那国に続いて石垣、宮古。少なくともそれが八重山の人々を守るためにあるのではないことだけは確かだ。八重山の皆さん、ちっぽけな経済効果の代償にヤマトの捨石にされてはならない。
by fuutaro58 | 2015-07-11 15:27