世は広し、なれど人生は短し

 佐々木譲さんのページを繰っていたらツイッターに、トーマス・ヴィクストロムさんのページで遊んでたらなぜかフェイス・ブックに入ってしまいました。これも縁? 遊んでやってくださいまし。
 ちなみに今嵌っている(嵌りかけている)のが上記のお二人。
 佐々木さんは「鉄騎兵跳んだ」でデビュー、数々の賞もおとりになっている方だけれど、実は読ませていただいたのはほんの少し前から。僕の読書履歴から行けば、……大沢在昌→今野敏を経てたどり着いたもの。これ、勿論日本のハードボイルドの系譜なんだけれど、先のお二人がエンタテインメント度80~90とすれば佐々木さんは60くらいかな。勿論これ、面白くないという意味ではありません。この方の中に内在する思い、というようなものをより強く感じるのです。それは一言で言えば権力あるいは偽善、まやかしなどに対する正真正銘の嫌悪、憎悪なのです。
 もうひとつ彼に特徴的なのは極力実名を登場させるという姿勢。つい昨日読み終えた本(「制服捜査」)の中には谷中天王寺交番で30年奉職された櫻巡査部長が実名で登場しておりました(天王寺交番を舞台にした「警察の血」は大河警察小説とも呼べる力作)。またこれまで定着してきた人物評に反する極めて厳しい指摘も凄い。「武揚伝」は幕末函館五稜郭に立て籠もり薩長連合軍に最後まで抵抗した榎本武揚の伝奇小説ですが、その中で、勝海舟のことを”おしゃべり上手な政治屋”坂本竜馬のことを”勝のメッセンジャーボーイ”、徳川慶喜のことを”狡知に長けた腰抜け”呼ばわりしているのですから、笑いが止まりません。これ単なる罵詈雑言ではないでしょう。それだけきちんとした取材、資料調べをした上での発言(榎本の言葉を借りての)に違いありません。
 さらに特徴的なのはその舞台の裾野の広さ。ハードボイルド・警察小説は言うに及ばず、時代小説、企業小説、盧溝橋事件→「鷲と虎」から第2次世界大戦を描いた3部作→「ベルリン飛行指令」「択捉発緊急電」など、またホラー小説のようなちょっと「えっ!」という感じのものまでその守備範囲はとどまるところを知りません。
 現在図書館から借りているものは10冊。まだまだ彼の著作の3分の2程度ですが、不出来なものがないため、しばらくは心から楽しませてもらえそう。

 トーマス・ヴィクストロムさんを知ったのはNHK BSの「アメージング・ボイス」という番組を通じて。私、正直言ってヘビメタには何の関心もなかったのですが、この歌声には正直圧倒される思いでした。最近目立つファルセットを使った軟弱な日本の歌手とはまったく違うド迫力。私がテレビで見たのは「THERION」(セリオンでいいのかしら)というバンドで歌っていたところですが、今日ユーチューブで改めて見てみると、元はといえば客演していたものが、メインボーカルの座を彼が奪ってしまった感じ。実際、彼以外の男女の歌手とはものが違う。そもそもこの人スウェーデンの国立歌劇団のテノール歌手だそうで、さもありなん、というか、逆にオペラというもの、一度ちゃんと見てみたくなったほどであります。

 しかし世の中は広い、というか浅学な身には”知りたい”ことが山ほどあって死んでなんかいられません、というのが実感。はい。
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by fuutaro58 | 2011-12-09 13:35