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by fuutaro58
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心模様

 東北大震災から半年たった9月11日、鉢呂経産相の辞任がマスコミのトップニュースとして流された。被災者の心情に配慮が足りなかった、といわれれば確かにそうかもしれない。しかし「放射能を移すぞ~」云々の発言、親しい記者との懇談の席上だったとのこと、どう考えたところで軽口の一種だろう。何でそんなに神経質になるのか分けがわからない。揚げ足を取るとかいう以前の問題じゃないか。体制翼賛的な「がんばろう日本キャンペーン」などと同様、こうした問題視のされ方のほうがよほど危険な兆候をはらんでいる、といっても差し支えない。戦後民主主義、アメリカさんがもたらした悪しきピューリタニズムの最たるものだと思う。

 今、今野敏という作家の本を読み進めている。デビュー作は上智大学在学中に書かれた「怪物が街にやってくる」。フリージャズの話で、山下洋輔を始め、ファンならすぐそれとわかる現役プレイヤーがモデルとなっている。そこからSFチックなもの、オカルト的なもの、空手など武術家の話し、そしてスパイ小説、警察小説など幅広いジャンルをものにしているが、時系列的に追ってみると、彼の心の軌跡というか、よって立つ立ち居地が明確に見えてきて興味がつきない。
 僕にとってもっとも面白いのは警察小説。警察小説といえばエド・マクベインの87文書シリーズをはじめ、翻訳ものが主流で、日本の作家の作品では大沢在昌とか佐々木譲とかのハードボイルド作家がいくつか書いているが質量ともに今野敏に並ぶ者はいないのでは。
 特に興味深いのは、とかく悪役として登場しがちなキャリアや公安の警察官を主人公にしたもの、誘拐犯など特殊犯を主人公にしたとかげシリーズ、科学捜査研究所の特捜班(プロファイリングのプロや、法医学の専門家など)を主人公にしたSTシリーズなどそのジャンルが多岐に渡っていて、それらを通して警察という組織の全体像が仄見えてくるところだ。
 もし興味をもたれたら、キャラクターが際立っている東京湾臨海署安積班シリーズとキャリア署長竜崎を主人公とする隠蔽捜査シリーズをお勧めしたい。当たり前のことだけれど警察官だって人間、人間としての葛藤、仕事に対する思いなど、心模様が丹念に描かれて、面白いこと間違いなし。
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by fuutaro58 | 2011-09-12 11:58